そして「戦国妖狐」も完結

水上悟志の長編の「戦国妖狐」も全17巻で「スピリットサークル」とほぼ同時期に堂々の完結。これもKindle化で販売開始。妖怪時代活劇もの、と一言でいえばそうなんですが、登場人物達の文字通り長い人生を描き切った、感動とバトルの大作です。水上作品はどれも、たとえ物語が終わってもキャラクターの人生はまだまだ続いていく、未来への希望を示してくれる終わり方で読後感がとても良いものです。
本作品もまた序盤こそ淡々と進み展開も遅かったですが、3〜4巻あたりで登場人物が出そろったあたりから俄然面白くなってきます。絵は比較的あっさりしたほのぼの系ですが、各キャラクターの心情を端役にいたるまで上手く書きだしており何度も読み返しては、あの時のセリフはこういう意味を込めているのか、と気づく(または読者が勝手に読み取ってしまう)場面が多々ありました。代表作「惑星のさみだれ」も合わせてオススメです。