きよしこの夜

クリスマスですね。古代ヘブライでは一日は日没に始まり日没に終わるので、クリスマスも24日の日没に始まり25日の日没まで続くのであり決して「前夜祭」では無いのです、という薀蓄を毎年のように何度も語っている、そのクリスマスのイヴです。

中国はほとんどの言葉を何らかの漢字に変換して音そのままの単語は少ないです。クリスマスイブをあらわす言葉の一つとしては「平安夜」ってのがあるようで、意訳で「きよしこの夜」とか辞書で翻訳されました。クリスマス当日は「圣诞节」、ええと「聖誕節」かな。「節」は祭日とかをあらわす言葉です。もともとはキリストではなく孔子の誕生日を祝う日を示していたようですが・・・。

私は異国に単身赴任の身であり特別にすることもありませんが、ここ中国でもだんだんとクリスマスを祝うようになってきているようです。平日なのに夕方からいつもよりも人が街に多く繰り出して家族で外食ってな感じですかね。

もっとも日本以上に宗教臭さは抜けており、欧米のお祭りをなんとなくめでたいから持ち込んだだけといった感じ。だって今日も一緒に仕事をしている中国人からクリスマスって何の日なんですか?と聞かれて、昔ジーザスって人がいてね、ってところから説明したぐらいです。多くの人はキリスト教がどんな宗教かもあまり意識していないように思います。なんだかんだで中国は仏教の国です。

街の片隅に、ちょっぴり変なオブジェが飾られていたりします。私が住むアパート群(良く花園とか言われる単位)の出入り口のところの植木にも変なツリーが出現しました。

今晩は行きつけの日本料理屋に寄りましたが、給仕のお姉さんだけでなく厨房の料理人も皆サンタ帽かぶってます。似合わねぇ。

そして帰り際にプレゼントをもらいました。日本なら小さなケーキってところなのですが、

中身はなんとリンゴでした。

いや、クリスマスにケーキを食べるって元々の欧米ではどうなんでしたっけ?クリスマスも日本でずいぶんとローカライズされているので、何が正しいのやら間違っているのやらよく分かりませんね。

で、こちらで売られているケーキは、正直いって味はまだまだです。かなり昔に食べた不二家のケーキの味を思い出します。いやいや、不二家でもそれなりには美味いのですが・・・。中国では乳製品類は全般的に味はいまいちで(というか日本の牛乳がかなり美味いのではなかろうか)クリーム類もしかり。生クリームケーキ好きな自分は悲しいです。帰国したら食べに行こう。

というわけで、中国でもクリスマス気分をほんのりと感じることができました。世界どこでも宗教関係なく、おめでたいことは広まっていくものなのですね。