中華雑考

2回目の出張も終わり、現在は日本を満喫中。なによりも空気が綺麗で嬉しい。
自分が行っている南通市は昔から日本と関わり合いが深い所で、ほとんど反日は感じずむしろ日本に対してはとても友好的な感じでその点は良かったのだけど、大気汚染度レベルはかなりひどいらしく、なんというか空気が目に染みる。比喩ではなくマジで。
そんな中でも人々は普通に生活しているのだけれども、きっとまだ表には出てこないレベルで喘息患者とか増えていっているのではないだろうかと疑っている。かの国で健康被害が全面に出るのは、かなり被害が拡大してからだろうけどね。とはいえ一昔前の日本だって、公害に関しては似たようなことがいろいろとあったのだ。単に40年ばかし遅れているだけなのかもしれない。

通訳の人たちと雑談の中で「なぜ、魚釣島のような海の上の人も住んでいない岩場を取り合うのか意味が分からない。そんなことよりも日本と険悪になるほうが嫌」みたいなことを言っていた。もちろん日本語通訳するくらいだから元々日本には理解が高い人たちではあるが、大部分の中国人は同じような思いだそうだ。「戦争はしたくない、行きたくもない」とも。ま、そんなものだろうね。日本の若者だって同じだよ、戦争なんて現実感が無いし、行きたい、行いたいと思っている若者なんてほぼ皆無。それに日本の自衛隊専守防衛を叩き込まれているから、絶対にこちらからは攻撃は開始しないよ、という説明をしておいた。政府レベルはともかく、個人レベルでは険悪になる必要もあるまい。少しでも日本人の良い所を伝えて広めていくのも、あちらで仕事するうえでの使命だとひそかに思っている。

TVでは、凶悪な顔つきの旧日本軍が中国を好き勝手に蹂躙し、それを若いハンサムな中国人が抵抗して勝利するというドラマを毎日のように放映している。多数あるチャンネルのうち2、3チャンネルは必ずこの手の番組が放映されている。時代劇と同様に一ジャンルとなっているらしい。こうやって反日が刷り込まれ、その考えを当たり前とする土壌が形成されていくのかもしれない。だがその一方で日本のアニメ、マンガは中国でも大人気だ。ドラえもんちびまる子ちゃんなどは特に人気が高い。日本特有の畳があって押入れがあってランドセルがある生活風景を見て、彼らは疑問に思わないのだろうか。そんな日本の文化を小さいころから刷り込めば、少しは日本という国に親近感を持ってくれるのだろうか。