楽天地、笑顔に染めて

今回の帰省は自分のルーツの見直しが目的の一つではあったけど、もう一つ、家族サービスってやつも当然あるわけでして。
子供たちのリクエストは「遊園地に行きたい!」だったのだが、はてさて、せっかく別府までやってきたのだ、別府らしい遊園地と言えば当然ラクテンチだろう、ということで行ってきました。何年ぶりだろうね,自分。
一時期は経営難だったらしいが、なんとか再度開園してくれて、子供連れてこれて嬉しい。

9時開園ということで、8時半には家を出発。やはりケーブルラクテンチ(古いか)といえば、ケーブルカーに乗って行くのが王道だろうとメインゲートまで。地元を離れて20年あまり、さすがに道を忘れていてかなり大回りになってしまったけど,ちょうどいい時間に到着。
車両は外見こそ新しくなっていたのですが、中身は昭和49年とプレートが。うわー、これ、昔のスワン号とパンダ号(だったっけ?)そのまんまか。

それにしても久しぶりに行って驚きました。このラクテンチ、まず乗り物がすごい。何がすごいって半数が「3歳以上6歳未満の方は保護者同伴」残り半数は「3歳未満は利用不可」とのレギュレーション。・・・これって、要するに、半数は3歳児から一人で乗れるってことだよ?小学生になったら同伴無しでほぼすべてのアトラクションに完全に一人で乗れるんだよ?
たしかにどのアトラクションも、正直いってたいしたこと無い。大人が楽しめるかと言えば難しいだろう。でもラクテンチは大人のものでは無く,昔ながらの子供のための遊園地なんだ。小学校低学年になれば、自分で弁当もって、おこずかい握って、自分で園内を勝手に回って、自分で並んで勝手に乗って、ミニ動物園を見て、プールで遊んで、風呂にはいれる、そんな子供の楽園なんだ。いろいろと安全だのなんだので規制が厳しくなっている昨今だけど、こういう場所が残っていてもいい、ほんとにそう思ったね。

さて、まだ開園間もないこともあり適度に空いているので(GW期間中にこれでは経営もつらかろうが)ほとんど待つことも無く片っ端から乗り物に乗って回る子供たち。どれもとくとくチケットならば1回200円とまあまあリーズナブルな値段といえるだろう。

普通に構内で地獄蒸しあったり、温泉湧いていたり、さすが別府。あちらこちらにお社が残っているのも面白い。いかに別府が特殊なところだったかは地元を離れて初めてわかりました。

さて遊園地には定番のお化け屋敷、スリラーハウスという名前だったけど、自分はここが怖くてたまらないヘタレだった。親にしがみついて大泣きしながら連れまわされた記憶がある。そんないやな思い出を吹き飛ばすために、自分も一緒に入ってみることにした。キャーキャーいって喜ぶ子供たち。自分と違って精神が太いんだよなぁ。自分はあんなに怖かったのに全然怖がらない。

ここはたしか昔は、山の絵と地獄の壱丁目とかなんとか書いていたゲート状のところ。

たしか地獄出口とかなんとか書かれていたはずなのだが今は何も書かれていないなぁ。子供の時、やっと終わると思ったのにまだ続いていると知った時のあの絶望感・不条理さ。思い出すよなぁ。
この前後だったかで吊り橋を渡ったようなイメージが残っていたところは、どうやら揺れる床だった。何であんなに怖かったんだろう。しかし、三十ん年前の事なのに良く覚えているものだね。

そのあと動物コーナーに。昔いたはずの虎やらゴリラやらはいなくなったけど、なんというか、この動物への近さは普通の動物園じゃ味わえない。なんで足元すぐがペンギン遊泳プールなんだ。手を伸ばせばミーアキャットにも触れてしまいそう。バードゲージではフラミンゴや孔雀に触れた!なんだこれ、すっげー。

動物ふれあいコーナー。娘はこういうところが大好きなのでラクテンチを選んだ理由の一つなんだが、ひよこは勝手に逃げる、それを客が皆で捕まえては戻す、また逃げる、の繰り返し。ううむ、このカオスさがなんとも言えない。そうかと思えば園内にはゾウガメが歩いている。追いかける子供たち。
動物園では絶対に味わえないこの管理の甘さというか動物への親密さ加減。そういえば昔からこうだったよなぁ。ほかにもたとえば山地獄なんて象がすごい近いもんな。鹿に触れるもんな。サルの子供が勝手に檻から出たり入ったりしていたもんな。ガラス1枚の向こうにワニがわしゃわしゃいる鬼山地獄とかもあるもんな。俺、もしかしてすごい幼少時代を体験をしていたんだろうか。

子供たちが遊びまくるので、そのまま午後まで滞在延長。
締めは子供たちだけで観覧車に乗る。ほかのゴンドラよりもひときわ揺れが大きいのでウチの子供たちの乗っているゴンドラがどれかすぐに判る。おまえら、あっちこっちにうごきまわるんじゃないよ。

で、そのままケーブルカーで下りて帰ろうかと思っていたんだけど、あいにく電気系統の故障で運休で復旧の見込みなし。

園がバスで上ゲートから麓まで送ってくれることになったけど、すでにバスは長蛇の列だったので。結局徒歩で下山することにしました。ここのハイキングコース、何度か通った記憶がある懐かしい道。急斜面を下るので子供たちが「とまらない〜」と駆け下りていく。特に息子はそのまま崖下に落ちそうだから走っちゃだめだって。ここを歩いたのは高校の遠足のときだったか、それともボーイスカウトでだったか。意外と山の中の景色も覚えているものだね。

一日たっぷり堪能して、帰り着いたら16時半。お父さんはもうへとへとだよ。やれやれ。