Windows8導入記

 自宅で使用しているマシン(WindowsXp HomeEdition)が,少し前からずいぶん不安定な動作になってきていました。起動時から常駐プログラム類が「不正な〜」のエラーメッセージがでて失敗するわ,「プログラムの追加と削除」でインストールしたプログラムの一覧が出なくなる(ので,プログラムの多くがアンインストールできない)わ,CD/DVDがマウントできなくなるわ,加えて,前から調子悪いDVDドライブがますます調子悪くなるわ,ディスプレイを大きくしたら処理がいちいち重くなるわ,とまあ散々です。

 不具合のパターンをみていると,ほとんどがハードの不具合ではなくソフト側の不具合であり,ハード側はDVDドライブ自体の不調と解像度が高すぎてメモリ不足に陥っている所だけですので,この正月休みにPCを初期化しようと思い立ちました。

 ハードの不具合は部品を入れ替えれば良いだけです。DVDの代わりにBlue-Rayドライブの導入も考えたのですが,価格が高いわりにまだ当分自分はBRを使いそうにないのと,近所のPCショップでPioneerDVDドライブが3000円程度で売っていたのでこれをさっくりと購入。海外からの逆輸入品のようです。最近はDVDは安かろう悪かろうドライブが多いのですが,Pioneerはどんなものかな?

 画面の解像度についてはメモリを増設すればいいのですが,中途半端な増設だとメモリスロットがもったいないのとDual-Bus対応のマザーボードなので2枚セット購入が必要。自分のマザーボードはDDR2対応なので,これの2GByte×2枚で4Gbyte増設することとします。これで,もともとの2GByteとあわせて計6Gbyte。しかし調べるとすっかりDDR3が主流になっており,価格もDDR2に比べてずいぶん安い。この業界,あっという間に昔浦島状態になりますね。

 ところで,4GByte以上のメモリを扱うには,これまでの32bitOSでは力不足でメモリアクセス幅が足りません。自分のPCは一世代以上前でPhenomII搭載ですが,こいつは32bitOSだとあまり能力でないらしいこともあり,そろそろ64bitOSを入れたいところ。
 昔,Intel80386を32bitネイティブで動作させるTowns-OS(MS-DOS+DOS-Extender)が従来の640kByteのメモリの壁を破ったときに,最大で4Gbyteの広大なメモリ空間を使えると言われて,いったいそんな時代はいつ来るのだろうと思ったものですが,20年くらいでずいぶんとあっさりとやってきたものですね。
 幸い,アップグレード版のWindows8が2013/1/31までのキャンペーン価格で安く販売されていますので,これを購入してOSを64bit化することとしました。なおダウンロード販売購入も考えましたが,やっぱり実体が欲しいので,やや高めではありますが5000円強でパッケージ版を購入です。

 なお1/31までは、さらにテレビ放送を視聴したり録画したりするための Windows Media Center を無料でダウンロード入手できます。

 さて巷ではいろいろ言われているWindows8ですが,先日購入したノートPCがWindows8搭載だったので自分はそこそこ使い始めており,当然ながら良いところも悪いところもあるのですが,ボロカスに言われるほど悪くもないんじゃないのかなぁ,と思い始めているところ。
 悪いところはもちろんあのユーザーインターフェースでどうしようもない。なんであんなもんにしたのか。大画面でタブレットみたいに使いたい訳じゃないんだけどなぁ。一方で良いところは,それ以外のほとんど。まあベースがWindows7だからあたりまえか。一番うれしいのは起動が感動的に早く,Xpみたいに起動した後でも次々とファイルを読み込んで立ち往生することもない。
 前者については,デスクトップ画面を運用主体にしてスタートメニューをつけ加えれば十分許容できるので,それほどWindows8を導入することに抵抗はありませんでした。

 久しぶりに蓋を開けると,あいかわらずホコリだらけ。部品吸わないように気をつけて内部の掃除をします。

 今回は従来から使用しているシステム用ドライブをそのまま使用してWin8を上書きします。XpからWindows8へのアップグレードでは環境が引き継がれないとの事なので,このまま上書きしてもクリーンインストールになるような気はするのですが,予期せぬ動作でデータを失ったら悲しいじゃ済まされません。まずはシステムドライブ内に入ったデータのバックアップのためにHDDを接続します。

 先日,某氏から借りた不具合発生したHDD(1TB)。不安定動作をしていたWin7機のHDDを入れ替えOSを入れ替えた際に,元々のドライブを貰いうけたものです。ダメもとでFormatしてみると,異常セクターも出ませんので,あくまで一時的ですし,これをバックアップ用に使ってみます。フォーマットだけで2時間くらい?容量がでかくなるとそれだけ大変。

 さてデータ類のコピー,これがなんだかんだで250GByteぐらいに肥大していました。ときどき,データ単位でバックアップはしていましたが,まとめるとかなりの量です。あと忘れずに「Application Data」の中もコピー。昼頃に始めたのに,転送が終わったらもう夕方です。6時間くらい?そろそろまじめにRAID1でも検討しておくべきかなぁ。

 次にハードウェアの調整です。めんどくさいことが発生しないように,USB接続周りは全部取り外します。またデータドライブ類の接続も全部抜いておいて,OSをインストールするシステム用ドライブのみ接続した構成にします。ここで購入したDVDドライブを入れ替え,メモリも差し込みます。BIOSでメモリの設定を調整しなくてはならないかもと思っていたのですが,特に必要ありませんでした。

 いよいよOSのインストールです。HDDに十分な空きがありますので,このまま上書きでOSインストールします。もしも不具合あるときはHDDをフォーマットして,WindowsXpをインストールして,さらにWindows8をインストールして,という流れになるんでしょう。Windows8のみのクリーンインストールは不可能ではないがなかなかに難しそうです。
 さ,いよいよDVDドライブから起動させて,インストール作業・・・なんですが,あっさりと,1時間程度で終わってしまいました。何の問題もなく起動します。古いXpのシステムフォルダ,Program Files,Documents and Setting等はすべて,Windows.old というフォルダに格納されていました。バックアップをとらなくてもなんとかなった次第。通称「Metro」インターフェース画面です(写真はカスタマイズ済)

 OSが変わればいろいろと不満もでてきますが,「慣れればどうということはない」と考えます。ただし我慢ができなかった新UIはすっ飛ばして,デスクトップを最初から表示しスタートメニューを作る「Classic Shell」なるソフトのみは入れました。ここさえなんとかすれば、Windows8Windows7の亜流みたいなものです。

 ソフトウェアをインストールします。OSを64bit化したところ,いよいよ動かないソフトが増えてきました。Win95とか中にはWin3.1時代から使っているソフトもあるので,あたりまえですね。むしろいままでよくXpで動作していたものです。Microsoftの互換性にかける情熱・技術はすごい。それでも6割くらいは動きます。
 今回嵌まったのは,メーラーのデータ移行です。ウチの奥さんは昔からの流れでEudora(v4.2!)をずっと使っていましたが,いい加減別のメーラーに換えようと,私と同じThunderbirdに移行。でも,Eudoraのメールはそのままデータをインポートできない。では,EudoraをインストールしてからThunderbirdで読み込もうとすると,OSの壁でインストールができない。では,と新Eudoraをダウンロードしてみましたが,古いバージョンのデータをインポートできない。
 そこで,困ったときの仮想化環境。もともと使っていたWindowsXpのライセンスが余っていますので,これを利用することとしました。最初はWindows8搭載のHyper-Vなるものを使ってみようと思ったのですが,インストールできない。どうやらBIOSの設定が必要のようですのでめんどくさくなって、結局使い慣れたVM-PlayerにXpをインストールします。持っているXpもアップグレード版だったのですが,VM-Playerの簡易インストーラーを使用すると旧OSディスクを読み込むところがうまく動作しません。しかたなく手動でXpのインストールを実施。古いWin98のOSディスクが見当たらなくて家捜ししたり,いろいろありましたがなんとか無事に終了。さらにSP2,SP3をあてて,ここまでで3時間くらい。ようやくWin8のデスクトップの中でXpのデスクトップが動きます。

 この仮想環境にEudoraをインストールして,データを読み込ませ,ThunderbirdでそのEudoraのデータをインポート,できた!ので,メールデータを今度はWin8環境にコピーして,ようやくWindows8環境で使うことができました。

 最後に,取り外しておいたHDDを接続して認識させます。あと蓋を閉めるその前にPC前面のHDDアクセスランプを取り替え。
 
 青色LEDはかっこはいいけれどまぶしくて目が疲れますので前から変えたいと思っていたんですよね。前のPC筐体を捨てる前に取り外しておいたオレンジ色LEDに付け替えました。輝度が低いですが,光っているのが判れば十分です。

 PCはソフト設定よりもハードウェアをいじっている時の方が楽しいですね。

 まだ環境は整えきっていませんが,とりあえず使うには問題無いところまで設定終了しました。OS世代が新しくなったわりには,動作を重くも感じずそこそこ快適です。とくに画面描画周りは格段に反応がよくなりました。動かないソフトも増えましたが、それよりは64bit化したメリットのほうが今回は大きかった、かな。