うまいもの

今日の夕食は鯛飯だった。鯛うまい。ヤバイ。

そういえば,今年は鰻が不漁だそうだ。なにしろ稚魚がとれない。養殖できない。でも美味いから我慢できなくて高くても食う,食う。まもなくやってくるジェノサイド当日は絶滅の恐れさえあるのではないか。
いやでもやはり,鰻はうまい。学生時代に,鰻のうまさとはタレのうまさではないかとの仮定の元,鰻のタレだけを買って御飯にかけて食って見たが,甘辛い醤油ごはん以外の何者でもなかった。
ためしに秋刀魚を一緒に煮込んで見たが,まあそれはそれで美味いのだが,やはり鰻の美味さではなかった。どうやらあの脂がうまいのだ。間違いない。これがタレに染み出すからタレがうまいのだ。うん。

一方で,煮ても焼いてもどうやっても不味い魚とかがある。人間だけが不味く感じるのかといえばそういうわけでもなく,他の魚にとっても不味いようで不人気だ。ならば,生存競争を考えれば,身は不味いほうが有利なのではないだろうか。魚だけではない,植物もまたしかり。

いや,だいたいなんで美味いと感じるのだろう。それは摂取する側にとって有益な成分が多いからだろう。だからフィードバックが働いてより多く摂取したくなるよう,有益な成分が快感をもたらすのだ。

そして自分の身が美味いのは,当然他の生物にささげるためではなく自分のためだ。つまり美味い魚とか果物とかは,より有利に生き延びれるよう,効率的に栄養素を蓄えているともいえる。それがより多くの敵をおびき寄せることになるとはなんと皮肉なことよ。

そういえば,ラーメンが人気なのは,炭水化物と塩分と糖分とアミノ酸と脂肪分がどれもこれもたっぷりと含まれているからだ,と聞いたことがある。
あ,この組み合わせ,さっきのうな重が見事に該当するぞ。だから鰻は単独で食べるよりも御飯の上にのせるほうが,圧倒的にうまいのだな。