大人の自由

なんか盛り上がっているうちにあと少し書いておこう。

自分は「銀河英雄伝説」が大好き。
知人が「男は自由同盟に,女は帝国に憧れる」と鋭い指摘をしていましたが,私も当然ながら自由同盟側。あのチャランポランさがたまらない。キャラではフィッシャーさんのファン。ああいういぶし銀の職人に憧れる。

で,私が気に入っているヤンとラインハルトの会話。固有名詞は長いので一部割愛するが,以下に引用する。

民主主義が専制政治に本当に勝るものなのか,強力な指導性を持つ政治の功は否定できないのでは,というラインハルトの問いに対してヤンはきっぱりと否定する。そして
「人民を害する権利は,人民自身にしかないからです。言いかえますと,○○などを政権につけたのは,たしかに人民自身の責任です。他人を責めようがありません。まさに肝腎なのはその点であって,専制政治の罪とは,人民が政治の害悪を他人のせいにできるという点につきるのです。その罪にくらべれば,100人の名君の善政の功も小さなものです。」と。

上の会話は多くのことを示唆していると思う。
厳しいルール・さまざまな規制は善きことをたくさんもたらすかもしれないが,影でこそこそと文句を言うだけの人が増えるだけなのではないか。それよりは堂々と意見を述べて自分で変えていける可能性がちょっとでもある社会のほうが私はいい。その代償に自分の言ったことには責任を取らなくてはならないけれど。
それが大人ってもので,責任をとれないから言われたことを無条件に聞かなくてはならないのは子供と呼ばれるんだ。

そして,法と混沌は単純な正義と悪ではない。秩序や停滞と,破壊や進歩。
どちらか片方だけではいびつだと思う。多様性を受け入れることができる度量の広い大人になりたいものです。

銀河英雄伝説〈5〉風雲篇 (創元SF文庫)

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メルニボネの皇子―永遠の戦士エルリック〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)

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