大人になるということ
最近，「大人になりたくない」という，いわゆるピーターパン症候群の子供が増えているという。
理由は，「大人になっても大変そうで，あまり良い事がなさそう」だからとか。
たしかに大人になるということは，さまざまな社会的，経済的な権利を得ると同時に，それに見合っただけの義務が付随してくる。
・・・見合った？いや，物質的に恵まれた現代では，大人になることで新規に得られる権利など，それほど価値を見いだせないのかもしれない。だって大人になって得られる権利なんて，好きなものを食べられる，お酒を飲める，車の運転ができる，好きなものを買えるなどなど，意外と即物的なものをまず思いつく。いずれも親が無制限に与えてくれれば，法律で制限されている酒や車はともかく，なにをそれ以上望むことがあろうというのか。いや，酒や車だって年齢だけ達すれば，別に子供の立場のままでかまわないともいえる。
で，自分を振り返るに，「大人になりたくない」と思ったことはじつは無い。・・・などと書くといささか偉そうではあるが，逆に積極的に「早く大人になりたい」と思ったことも無いので，単に刹那的に生きていただけなのかもしれない。
毎日，楽しかったとしか覚えていないし。
まあ，子供からみた大人の権利というのは小さいものに見えるのかもしれないが，これに自分の人生を費やして築いてきた価値感を加えると，実は大きなものになるのではないだろうか。
たとえば私は特撮が好きである。それもかなりグダグダな，大人の視点から視聴すると，ほんとに情けないようなもののほうが好みである。スペクトルマンとかファイヤーマンとかレッドバロンとか。といってもわからない人のほうが多いだろうなぁ。
これらを視聴するため，いくばくかの時間と費用を投入している。と，いってもたいしたものじゃない。ＤＶＤ−ＢＯＸを買うまでの酔狂さはあいにく持ち合わせていないから，せいぜいケーブルテレビの費用払って，一生懸命エアチェックするぐらいだ。
だけど，そんなたいした事のないコストであるが，子供の頃にもう一度見たかったあの作品たちを，こうしてまた見る事ができるというその事実が幸せである。大人だからこそ，第三者から見ればしようもないことに自由にコストをかけられるわけで（だって，自分の子供がそんなどうしようもない番組を真剣に見ていたら，止めさせるぞ，きっと。），それこそが大人の権利なのだと思うのである。
子供には，なんでも望むものを与えてやりたいと思う反面，なんでも与えて満足しているとこの独自の価値観を築くことができなくなるのではないかと思う。短い子供時代に与えすぎることは，より長い大人の期間に得られる多くのものを逃させているわけであり，全人生で見ればきっと大きく損をするのだと思う。
ファミコンすら買ってはくれなかった親に，今はある意味で感謝している。
・・・というわけで
あいかわらずの品薄状態で，かといって家族持ちのまっとうな会社勤めの身では，毎週末に朝からショップ通いをする時間も気力もなかったのですが，近所のゲームショップで予約を受け付けていると聞いたので
『どのくらいの待ち人数ですか？』
『ええと，150人くらいですねぇ。』
ううむ，こりゃ1〜2ヶ月待ちかなぁ，とは思ったのですが，ま，急ぐわけでもないのでのんびり待とうと予約したところ，なんと2週間で届きました。
いくらなんでも毎週100台近く入荷するような店とも思えないのですが，連絡受けたのが日曜日の夜（入荷は，毎週金〜土曜ぐらいのはず）だったし，予約した店はキャンセル自由（それも，１週間取りにいかないと自動的に消滅するシステム）だし，そういえば近所の電器店が新装開店セールで100台放出したばかりであるし，というわけでかなりの繰り上げ当選があったものと予想されます。
もともとが「レボリューション」の発表があったときに，過去のゲームをダウンロードしてプレイできるというところにかなり魅力を感じたわけですが，まだまだダウンロードできるタイトルは少なく，これからの増加が期待されます。
とはいえ，「ソロモンの鍵」とか，とか「マイティボンジャック」とかのアクションパズル系の作品のラインナップはうれしいところ。
本体が小さいので，堂々と設置していても子供は最初，存在に気づきませんでした。全面だけみると5インチベイに入るスロットインタイプのＣＤ−ＲＯＭドライブとほとんど変わりません。まさに軽薄短小な世界。すごいなぁ。
で，これ，当分は子供に自由に使わせるつもりはありません。だって，創造性や自分の価値観を得るためには与えすぎは良くないもの。あくまで大人の楽しみです。うん。
・・・というか，5歳の方はそこそこ遊べるんだけど，やっぱり3歳ではきついみたいですね。コントローラーでどう操作すればいいのかわからないようで。で，うまくできないと癇癪おこしてすぐに姉妹で喧嘩になるのでやっぱり当分はお預けです。うふふふふふ。
