あやしい

 電車で隣り合って座った親父というか爺。駅について俺が降りようと立ち上がったときになんとなく目があった。そのとき座ったままだったこの人物,急に立ち上がって俺の前をせかせかと歩き始めた。
 そのときは気にも止めなかったのだが,改札出てからもなんか俺の前に立ちふさがるように歩く。邪魔なので早足で横を通りすぎる。すると,それに負けじとあちらも歩調をあわせてくる。
 なんとなく薄気味悪かったので,駅を出てすぐの本屋に飛び込む。親父,本屋に入らないでその前で店内を伺っている。目的は俺?ちょっと不気味。
 親父がいなくなるまで3,4分時間を潰し,出てみたらもういなかった。なんなんだあいつは。歩きで競争でもしようと思ったのか,それとも別のよからぬ企みでもあったのか。やや気を配りつつ自転車に乗って帰宅。まあ,自転車乗ってしまえばぶっちぎれるし,自転車置き場手前には交番があるし,ひ弱そうな親父だったし,武器はもっていたし,で別に恐怖は感じなかったが,なんか嫌。