無駄な経験など無し

仕事で後輩が、振動を加える装置に何か心当たりないか訊ねてきた。粘稠な液体に振動を加えて巻き込まれている気泡を抜きたいらしい。液体の性質からいって容器ごと普通にゆすっても難しかろうし、容器のほうの制約も多いので、容器ごとゆするんではなく上からコンクリ用のバイブ突っ込んだらどうかと提案してみた。
そしたら、「コンクリ用のバイブレータって何ですか?」「いや、コンクリート流し込んだら、棒みたいなの差し込んでコンクリ締めるじゃない?あれだよ」「・・・いや、あれといわれても」「工事現場とかで普通に見るでしょ?」「見たことないですよ。」
とまあ、こんな会話があって気づいた。もしかして多くの人は工事現場とかじっくり見続けた経験が無いのではなかろうか。自分が小中学生の頃は、よく道路工事とか家の建築工事とかを1時間ぐらいずっと眺めていたような記憶がある。だからなんとなくアスファルトの舗装とかの工事の手順はわかる。それぞれの機器をどう扱うかも(実際に扱えるかは別だが)なんとなくわかる。在来木造建築とか外構工事も、なんとなく何をどうすればいいのかはわかる。ゲートボールもよくみていた。なんとなくルールは覚えた。もちろん本当にやったわけでは無いので、実際にはどれも満足にはできないだろうけどね。
よく道草食って寄り道して、帰りは遅くなって親には怒られたけど、こうして今、役に立つこともある。あらゆる経験は無駄では無い。ただ使い道が見いだせていないだけなのかもね。
でまあ、一番上の娘が自分と似た傾向があるんだ。家が建つのを毎日見ていたとか。帰りが遅いと思ったら。遺伝かなぁ。
今は便利なネット時代。具体的な商品名とか価格とか知りたかったけど「コンクリートバイブレーター」で一発で検索にヒットしたよ。出入りの業者を通じて左官屋から借りれないか交渉中。ちなみにこんなの。