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地震発生時、自分は静岡の自職場で作業用の防塵服に着替えていた。堅牢な建物の1Fのせまいロッカールームだ。たまたま1人でしゃがんでいたので地震と気付かず、週末だから疲れているのか、ひどいふわふわした眩暈がすると思っていた。ドアの外からはカタカタと変な音がし続けていたが、風が建屋をひどく揺らしているんだろうか、としか考えなかった。めまいが治まったので立ち上がりロッカールームから出ると、みんなが地震だと騒いでいた。それでようやく地震だったことに気付いた。しかし長周期の変な揺れだなあとは思ったが、なぜそれが離れたところの大規模な揺れを示しているのに気付かなかったのか、後になって情けなくなったが、それよりも地震それ自体に気付かなかった自分がもっと情けない。自職場の各生産設備を点検して回った。大きな被害はなかったので一安心した。

そのまま仕事を続けた。東北のほうで大きな地震だったらしいと誰かが言っていた。まだそんなにひどいことになっているとは思っていなかった。
夕方、一度仕事を抜けて子供を幼稚園に迎えに行った。何時も通る道の踏み切りが故障して通行止めになっていた。あちこち渋滞していた。もしかして普通じゃないのか?と初めて感じた。次の日が棚卸しで現品確認だの生産調整だのあったので会社に戻って作業を続けた。夜になって帰ってTVをつけて初めて津波の映像を見た。ショックだった。
その晩はニュースを見続けたが、何もできない自分がいた。