キレやすい世代

強い殺意、計画的犯行か 香川の老人ホーム男女2人殺傷 女性を部屋まで追いかけ切りつけ

2011.11.21 11:39
 香川県琴平町養護老人ホーム「琴平老人の家」で入所者の男女2人が殺傷された事件で、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された高丸馨(かおる)容疑者(86)が、凶器のナイフをあらかじめ用意し、死亡した小野川美明(よしあき)さん(79)を複数回にわたって刺していたことが21日、捜査関係者への取材で分かった。同署は強い殺意を抱いた計画的犯行とみて、容疑を殺人に切り替えて動機を追及している。
 香川県警琴平署の調べでは、高丸容疑者は3階にある小野川さんの部屋を訪ね、3人で話を始めたところすぐに口論になった。高丸容疑者は所持していたナイフで小野川さんを刺し、驚いて同じ3階にある自室に逃げ戻った徳田キヘ子さん(68)を部屋まで追いかけて切りつけ、顔に軽傷を負わせたという。
 高丸容疑者の部屋は2階にあり、ナイフは自室から持ち出していたとみられる。同署は、3人の間に以前から何らかのトラブルがあったのではないかとみて調べている。

つねづね思っているのだけれども、「現代の若者が切れやすい」とか「増え続ける少年犯罪」とかのあおり文句が多々あるけれど本当だろうか。もともと若者が犯罪を犯す率は他の世代に比べると高いが、犯罪統計を見る限りでは犯罪発生数自体は低下しているように読み取れる。少年犯罪の件数が増え続けるためには、犯罪発生数全体を占める少年犯罪の割合が近年で大きく上昇しなくてはならないのに、ざっと数字を拾うだけではそのようなことは読み取れない。一方で、高齢者の犯罪発生率は上昇しているようにも思える。もちろん高齢化がすすんでいる現代だ、さもあらん。

実際のところ、少年凶悪犯罪のピークは昭和35年ごろであり、現在の4〜5倍くらい多かったようだ。その当時の若者は現在65歳から70歳くらい・・・。今回引用した事件の加害者はそれよりも年上だけど、実はかつて切れやすかった人たちが続々と還暦を迎えて昔に戻り再び切れやすくなっているのではないかとひそかに思っている。

とまあそんな事を思いついて毎年の犯罪発生数と犯罪者の年代別の資料がないかと犯罪白書とか警察白書とかの資料を探し回ってみたけれど、散発的なデータしかないのだよなぁ。まあ、会社の昼休みの時間でも使ってのんびりとデータを集めてみよう。それにしても、ここのほかにも総務省統計局のページとか、こういう資料を簡単に検索できるようになって便利な世の中になったよなぁ。