「スカイウォーカーの夜明け」の感想

遅まきながらようやくスターウォーズEp9「スカイウォーカーの夜明け」を鑑賞しました。見ながらまず私が思ったことは「あ、これ、Zガンダムや」でした。新しいキャラ、ドロイド、いろいろ出るんだけど結局偉大な初期3部作のキャラ達に引っ張られて次世代キャラ達の影は薄くなり、話は目がぐるしく変わってスピーディなんだけど何か物語の芯が弱くて最後までぶれまくっていた、という印象ですね。考えてみれば新3部作全体通してもZガンダムや。

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それでもEp7は新旧交代劇として結構良かったんですよ、Ep8はいまいちだったけどルーク(役のマーク・ハミル)があまりにも役者オーラが薄くて、扱われ方の割には影が適度に薄かったのが功を奏して新世代キャラもまあまあ立っていたんですよ、このままEp9で完全に新世代キャラ達の話に移行してしまえば良かったものを、過去の威光という名の重力に魂が惹かれてしまったんですな。

とくに前半はとっ散らかった感が強かったんですが、それでも後半に入って物語が収束してきて、アクションも映えてきて、ようやくスターウォーズらしい馬鹿映画(誉め言葉)っぽくなってきてそれなりに楽しめました。ええ、スターウォーズの初期3部作は基本的に馬鹿映画なんですよ。大体プロトン魚雷一発で破壊されるような小型惑星規模の要塞なんてどう考えても頭悪すぎますよ。

ただねえ、「ジェダイの復讐」以来ずっと映画館で鑑賞してきましたが、今回のEp9を最後まで見終わった時にすっきりしないのはあれですな、Ep3ならダースベーダー化する過程を見て予定調和的に安心できたし、ピーター・カッシングのそっくり俳優までわざわざ使って初期3部へのつなぎを見事クリアしたし、Ep6ならわけわからんけどイウォークたちの盆踊りでなんかおめでたいバカ騒ぎで良かった良かった、だったんだけど、そういうカタルシスが無かったんですね。最後のレイのセリフだけじゃ弱いんだよな。せっかくの新3部作の最後なんだから、深いテーマなんかありそうで実は何もないお祭りムードで終わらせて欲しかったなぁ、と個人的な妄言で締めくくらせていただきます。