「BRAVE STORM」視聴感想

アマゾンプライムに「BRAVE STORM」がちょっと前から入っていたので、今回視聴したんですけどね。その、画面特撮はとてもかっこいいが、それ以外がひどすぎて。

以下内容ネタバレなので注意ください!

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B07V4NZ5JW/ref=atv_hm_hom_1_c_DEaieV_2_7

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まず自分は世代的にはちょっと下になるんですが70年代特撮大好き人間で、兄の持っていた古いTV雑誌とか観て、シルバー仮面レッドバロンも子供フィルターかかった目で憧れておりましたよ。

その後、多感な青少年の頃にシルバー仮面レッドバロンも見る機会に恵まれて、楽しく見ることが出来ました。もちろん青少年以降にまとった特オタフィルターは必要ですが。

で、それらをリスペクトして作った映画ってのは良くわかるんですが、特に後半部で違和感ありまくりで。画面的には見せ場で盛り上がるところで、実際にかっこいいんですけどそれだけで。結局、キャラの行動にいちいち必然性が無いのが致命的なんですね。

導入部はまあまあ良いんですよ。やや暗めの雰囲気はシルバー仮面らしいし。でもね、中盤からどんどんおかしくなってきて。

まず突然現れた怪しい人たちに対する紅博士のセリフとか対応に一貫性が無くて、ただの浮世離れした変人なのかと思えば応対は意外と常識的だったり、月へ行く意味が無理やりだとか、シルバースーツでブラックバロンに乗り込むのも全くの無策に見えるし。せめて過去に何台か破壊して弱点を知っていたとかの描写でもあればよかったのに。

自衛隊機もわずか2機だけが攻撃に来るし、街中でミサイルぶっ放すし、その後は全く警察も自衛隊も活動している様子がないし。中途半端に出すぐらいならいっそ出さない方が「自衛隊は巨大ロボットに向かって来ない世界」になるのに。

はるかも突然すげー強さで闘い始めるし。それまでそんな描写なかったよね?なんで?こんなに強いなら元の時代でさっさと能力完全開放しておけばよかったじゃない。

キルギス星人も紅博士をわざわざ島に生かして監禁しているし、だいいち小芝居だけでレッドバロンの動きを止められると本当に思っていたのか?でレッドバロンはそのまま放置するわ、最後は抵抗もせずに破壊されるわ、ほんとに中途半端にバカ。

ブラックバロンの進行方向にわざわざモブは逃げるし、直後に現れたレッドバロンは避難できたか心配しているし。どう考えても避難間に合ってないだろ。こんな描写なら避難なんて考えているところ表現しなければいいんだよ。そうでなくても街中でミサイルぶっ放す世界なんだからさ。

巨大ロボットの足元でボーグと戦うシーンもかっこいいのに、最後のとどめの前になぜかフェイスオープンするし。普通闘いの途中で武装は解除しないでしょ。役者の顔演技見せたくてオープンするなら、その前のシーンで銃の狙いをつけるためにオープンが必要とか、そういう描写が一コマ入っているだけで納得するんだよ。こっちは。

で、本来ならこの巨大ロボットでの兄弟対決と前にやられた敵との肉弾戦の二重の戦いが平行して派手に終わればカタルシスもあっただろうに、どちらも不完全燃焼のままキルギス星人のアジトの破壊とかが入るもんで、なんかグダグダな感じに。

結局全部中途半端なんですよ。むしろ昔の特撮を見慣れた我々には、整合性なんて完全に無視する方向に振り切っている方が、また別の意味で良い作品になったかもしれません。なんかいろいろと惜しい作品でした。35点。映像は良いだけに余計に残念ですね。何度も言いますが、映像だけはとてもいいですよ。