新PC組み立て記その1

唐突ですが私の妻は地球儀が趣味です。地球儀なんてものが趣味になる事自体がやや理解し難いかもしれないですが事実だから仕方がないです。私自身もマニアと呼ばれる類の人種なので「○○というジャンルが好き」といっても人それぞれでさらに細分化されたこだわりが存在することは理解しているつもりですが、同じく地球儀好きといっても幸いなことに歴史的価値が有るものの収集や地球儀の作成研究とかいう金や時間がやたらかかる方向では無く、要するにいろんな地球儀グッズを見つけては集め愛でているといったところで、とは言ってもこれが意外と多岐のジャンルにわたっている割にはレアな一点ものも多く、世に溢れすぎているわけでも無く、かといって概して高価なものでは無いために人に公表しても引かれることも妬まれるようなものでも無いという、なかなか絶妙な立ち位置の良い趣味を持ったものと個人的にはちょっと羨ましく思ったりもするわけです。

でタイトルの内容に戻るわけですが、私の趣味の一つに自作PC、つまりいろんな部品を集めてPCを組み立てるってものがありますが、始めた頃は特に公表すると引かれやすいジャンルでした。自分の師匠筋にあたる某氏から教わって初めて組んだPCを不調になるたびに部品を少しづつ取り替えて行ったのでいつの間にか筐体も含めて完全に部品もソフトも入れ換わってしまったけれど、それでも自分としては連続してずっと同じ1台のPCをもう20年近く使っている感覚ですね。
なお自分は安くて怪しげなパーツを組み合わせ、かつクロックも上げて性能をめいいっぱい引き出して不安定動作になりがちなものをなんとか使いこなすという自虐的な方向が好みでしたが、家族が同じPCを使うようになるとなるべく安定性を重視した方向に転換せざるを得なかったのは仕方の無いことでしょう。車好き趣味と通じるものがありますよね。

さてPCの世界にもいろいろ変わり種はあるのですが、2003年ごろLUPOから発売された「球形」パソコンはなかなかユニークでした。どこから見てもハロ!
当時の記事↓
http://www.itmedia.co.jp/news/0212/24/nj00_lupo.html

で、球形と言えば・・・そう、この筐体を地球儀にして、PCケースとして単体発売されていたのです。
http://www.itmedia.co.jp/news/0303/11/njbt_09.html

地球儀好きの私の妻は当然とびついたんですが、電源すら載っていない本当の筐体のみでもそこそこの値段だったと思います。しかも小さくて載せることができる部品も限られており、決して必須では無い2台目のPCを組む予算を捻出するのも厳しかったので筐体だけ購入し、長らくの間塩漬け状態でしたが、今回この地球儀パソコンをいよいよ組んでみようかという事で、自分が春節で一時帰国した期間で行いました。ですが、これが正直言ってかなり上級者向けの組み立て内容でかなり苦労したので、せっかくですかここにレポート上げてみたいと思います。

まずは主役の地球儀筐体。

おそらく2003年か2004年ごろに購入。送られてきた外箱には娘の幼少時の落書きがあって今となっては微笑ましい。アルミ製で一台づつヘラ絞り加工という職人の手作りだそうです。大きさはバスケットボールほど。これで立方体や円柱ならともかく球形ですので内部空間がPCとして見ると狭すぎです。
これに適合する部品ですが、載せることができる規格はmini-ITXという小型PCに特化したかなりマイナー規格。しかも高さがないので大きなカードも挿せそうにありません。一方で一度組んだら当分はアップグレードさせることもないでしょうから性能はあまり妥協したくない。そうなると選択肢もかなり限られてきます。帰国期間は1週間しかないので、あらかじめ帰国前から下調べして帰国タイミングに合わせて部品類が届く様にネット通販で注文します。
ただ、現物の筐体を見ていないので、サイズも確実には判らず果たして本当にこれらの部品が乗るか非常に不安。何しろ古い案件ですのですでにメーカーもとっくにサポート終わっていますし、情報が少ない。何とかメーカーの写真実例を見つけたので、各部品が収まるサイズを写真から逆算していきました。
http://www.lupo.co.jp/shisaku/artemis.htm
それでもどうしても自信がなかったところ(というか組み立てにあたり致命的になるところ)実際に妻に測定してもらいましたが、電話越しで説明するのは非常に難しかったです・・・。

続く。