中国紅茶、祁門

茶は自分の趣味の一つです。特に紅茶は元々は私の妻の趣味でもあったおかげでいろいろ知識も深まりました。いろんな茶葉を飲み比べていく中で、自分は特に中国系紅茶の祁門(キーマン)茶がお気に入り。ダージリン、ウバと並んで世界3大紅茶と言われる種類なのですがあいにく日本では飲める機会が少ないです。さて、せっかく中国に駐在していることですし、日本で入手しにくい高級な茶葉が欲しくなりました。
とはいっても実は、中国人はあまり紅茶を飲みません。ほとんどが輸出用らしいです。ですから私が住んでいる近所では、スーパーのパックを除き紅茶は扱っていません。一方で、中国では最高級のお茶は贈答用として用いられほとんど輸出されません。Wikipediaの記述によると等級で7段階中、上位3段階は日本国内にはほとんど輸出されない、そうです。ただし、価格はそれこそ天井知らずで、大紅袍という烏龍茶の一種は、その希少価値とあいまって20グラムで287万円(当時のレート)の値がついたとか。とんでもねえ。
祁門茶の産地は安徽省、幸い私の部署の一人がこの省の出身で、先日の国慶節の際に帰省するとのことだったので、その時に買って来てくれるように依頼しました。さすがにいくら払ってもいいとは言えませんので、量は少なくていいから1000〜2000元の範囲で買えるようなグレードで、と。それでも2万〜4万円ってところですので決して安くは無いですが、めったにない機会ですからね。で、買ってきてもらったのがこれ。

240g(60g×4)入り、1280元。化粧箱入り、カタログ付き。日本円で100g1万円ってところ。この価格なら日本茶でも(高級茶として)販売しているのでまあこんなもんかな、と思いきや、カタログを見ると中の上ぐらいのグレードですね。カタログ記載の最上位は200g9万円。さすがにこの価格は手が出せませんなぁ。そしてもっと高いのも、いくらでもありそうです。



さて、祁門茶は中国紅茶の代表種。渋みが少なく色は淡め。茶葉も大きいのが一般的のようですが、今回購入した葉もこんな感じ。過去に買ったものよりは、やや小ぶりでしたね。

本当は紅茶専用ポットで入れるのが一番おいしいのですが一式揃えるのも大変なので、こちらではいつも中国茶の簡易的な淹れ方である、蓋つきカップの中に直接、葉を入れてお湯を注ぎ蓋をして蒸らしたあと、蓋をずらして上澄みを飲むって方法で茶を飲んでいます。慣れると手軽です。
紅茶は熱湯抽出が基本、時間はおおむね3分ほど。抽出中に温度が下がらないようにあらかじめ容器は温めておきます。

飲んでみて驚きました。いろんな本には値段が上がるほど花のような独特の香りと深い味わいが強くなる、とありましたが、確かにこれまで飲んだキーマンとは異なるなんともいえない甘く良い芳香です。間違いなく非常に旨いのは判るのですが、普段から高級茶葉は飲んでいないので値段相応なのかどうかまでは残念ながら判りません。これがさらに5倍、10倍の値段だともっと判らないんだろうな。ワインもそうですが、100倍の値がついているといって100倍旨いわけでは無いでしょうから、どんどんコストパフォーマンスは悪くなりますよね。
さてお茶は香りが命です。開封後は密閉保管し短期間で飲んでしまうことをお勧めしますが、さすがに高級品、缶の中には密閉用のクリップまで入っていたのには笑いました。クリップには会社のロゴまで刻印されています。ちゃんと袋を何重に折りたたんで、クリップで固定しておきましょう。

しばらくは楽しめそうです。