指輪物語

じゃなくて,ロードオブザリング,3巻分視聴終了。のべ12時間近い大作でありました。一挙にみれば「風と共に去りぬ」並か。

最後の「王の帰還」でサルマンがああいう結末に変更されていたものだから,原作の最後の部分はあまり描かれないだろうなぁとは思ったけれど,ほとんどばっさりと落とされていたのは残念。個人的には指輪を捨ててから後の部分が一番魅力あるところなのだけれども。

まあ映画としてみれば,どうしても一大スペクタクル映像にせざるを得ないし,クライマックスを指輪を葬り去るシーン持ってくるのは正しい選択だろうけれど,その結果として原作の多くの良い部分,子供に伝えたい部分が失われてしまった。この作品はフロド自信の内面の成長がもっとも考えさせられる部分と思うけど,たしかにあれじゃぁフロドは結局何もしていないようにも見えるな。

興行的にも映画としても成功ではあろうが,余韻というか,あとに残る部分は圧倒的に原作のほうがいいんだよね。ま,それを目指せば,あの大部の原作を余すところなく映像化しなくちゃならないから,今の倍の時間でかつ「ホビットの冒険」も第1作目に組み入れて全7作とかにしなくちゃ。でもそうなったら映画的興行的には失敗するだろうな。これぐらいでいいのかもしれん。

ありとあらゆる出兵シーンで悲しみ恐れる一般市民を常に挿入していたのには非常に好感。もともとの原作は,冒険と戦争万歳ってな内容ではなくむしろその逆だし。

いずれにせよ,このようなすばらしい作品を世に送り出したトールキンと,それをずいぶん早いうちに読む機会にめぐまれたことに対し感謝。そして,この映画によりもっと多くの人たちが原作を読む気になることを。
なに,黒の乗り手に追っかけられはじめれば,あっと言う間に読めるはず。

ホビットの冒険」は,いまだにドワーフが踊っているシーンから抜け出せないが・・・。